仏壇に供えるお線香。よくおばあちゃんちにいくと、いわゆる昔ながらのお線香の匂いがしてたものです。
しかし、最近では本当にさまざまな種類のお線香が揃っていて法要の贈答用にと、選ぶ側も楽しくなるほどです。バラや、ラベンダー、ゆり、さくらなどの花の香り、白檀、ひのきなどの木の香り、杏やみかんなどの柑橘系の香り。ほかにも、季節に合わせて作られたものや備長炭を使って作られたもの、煙についても、通常の煙の出るタイプと少ないタイプまであります。その時々でお線香を楽しむことができれば、仏壇に手を合わせる機会も増えるきっかけになると思います。
私の親戚の家では、先祖代々の立派な仏壇があり、長男であるおじ夫婦が守っているのですが、子供も大きくなり独立して家を出て行ってしまうと、仏壇に手を合わせるうしろ姿も寂しいものが感じられました。しかし、娘が結婚して子供が生まれ、一緒によく実家へ顔を出すようになると、両親もとても嬉しそうに迎えていました。そして、娘や孫が訪れると家に入ってまず必ずさせるのが仏壇に手を合わせさせることでした。孫も小さいときには興味深々でお線香を仏壇に供えたりしていたようですが、成長するにつれあまりやりたがらなくなったそうです。理由を聞いてみると「お線香の匂いが嫌い」という答えが返ってきたそうです。そこで、贈答用に頂いていたお線香の中に、いろいろな種類の香りがシリーズで入っているものを思い出したおばあちゃんが孫に試させると、とたんに興味がわいたらしく、いろいろな香りを試したがり、来るたびに「今日はどれにしようかな」と楽しそうに仏壇に手を合わせるようになったそうです。
ご先祖さまたちの霊へ祈りを捧げるのが本来の目的なので、意図するところが変わってしまっていますが、祖父母と孫のコミュニケーションがひとつ増えたという点で喜ばしい話でした。若い年代の人や子供も、今まで仏壇に関心がなかった人たちにとっては、選べるというのは興味の引き金になりそうですね。